スタンフォードの自分を変える教室
遅ればせながら読みまして。
原題は"The Willpower Instinct"、意志力の本能とでも直訳できましょうか。
心理学を理解して、ジャンクフード、アルコール、タバコ、散財ショッピングなどの誘惑を退けましょう、と概略はこんな感じです。
人間の意思なんてのはそもそも激しく脆弱なもの。悪いものに手を出し、よくないことを行なう。これは人間の構造上避けられないもの。
であれば、周囲の環境の力を借りて悪いものを視界から消せばいいんです。
どうしても休日にパチンコ屋に行ってしまうのなら国立駅とか高尾山口駅みたいなところに住めばいい。
どうしても仕事帰りに毎日居酒屋に寄ってしまうのなら、カードを家に置くのはもちろん現金もランチ代以上は財布に入れておかなければいい。
どうしても運動ができず過食してしまうのなら、ライザップに大金を納めればいい。
こういった本が売れるということは、つまりはこういうことに悩んでる人が多いということで、意思を自分で操ることの困難さを示しています。
大人ですらこのありさまなんですから、まだ未知のものにまみれた子どもたちは言うまでもない。
大人は子どもにはそういう環境を準備してあげなきゃ。
自分は周囲の人間の集合体
そんな積み重ねにより、人間の基本形は周囲の人間によって形作られます。これ結論。
天才は周囲の影響×意志力。
犯罪者も周囲からの抑圧×意志力。
性格だってそうですよ。ほぼ同じ遺伝子の双子の性格が違うのもきっとそのせいですよ。親が一緒でも、クラスが違って友達が違えば変化します。
周囲の影響で違う人間になるのですよ。
いろんなアスリートや犯罪者の周囲の話、つまり生い立ちを見聞きすると本当に確信します。
身近な関係であるがゆえの複雑さ
厄介なのは、表向き普通な親子関係とか。
まわりのいろんな人達の話を聞いていたり、自分のことも振り返ったりすると、目に見えるわかりやすい暴力だけでなく、単純に人の話を一切聞かない親とか、物は買い与えられるけど心の面での教育がまったくされていないとか、すっごく多いです。
精神的DVとか精神的ネグレクトみたいなの。
結局、「家族を大切に」なんてあえて他人に対して口にしてる人なんてのは、自分が周囲に恵まれていたんだってことを知りましょう。
自分を変える方法
てことなので、そのままで人生思い通りにしてくのは無理。だから周囲の影響を利用しても自分で意志力を調整していかないと、というお話です。


最新記事 by 高橋 としあき (全て見る)
- 実店舗や自営業者の電子決済導入は損か得か? - 10/30/2017
- アイキャッチ画像の文字組みにも、ちょっとだけこだわってみる。 - 08/24/2017
- Web上で「他者と差別化する」ための、競合調査の手順 - 08/15/2017