お客さんの決済の手段を狭めることが、実際にはどのくらい機械の損失になっているのか。
正確な計測が非常に難しいところではあります。
ただし一回の「カード使えますか?」というひとことは、その裏に何倍もの数の同じ質問が潜在していると考えられるでしょう。
つまり、「導入しない選択肢はないわ」ということです。
ということで以下、導入を躊躇してる人が『損』だと思ってること。
それを『得』に変換していきたいと思います。
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世の中における電子決済の状況
海外の様子
私、この国が現代にいたるまで徹底的な現金主義なのは、治安がいいからだと思い込んでました。
カードやチェックなら盗まれても、そのあと対策とれますからな。
ところがですよ。
イギリスの経済平和研究所 (Institute for Economics and Peace) が発表する世界平和度指数、要するに治安の良い国ランキングで上位常連組の北欧(スウェーデン、ノルウェー、デンマーク)のGDPに対する現金使用比率ときたら、なんと5%以下。
なかでもスウェーデンなんて2%だと。
いやアジアだってそうですよ。
アジア財界のボス中国では、先日時価総額でAmazonを抜いたと評判のアリババの『Alipay』を擁するモバイル決済の利用率は、なんと98.3%。香港のオクトパスや韓国のT-moneyの普及率だって、わが国の比じゃないです。
非・現金派の気持ち
「現金しか使えません」なんていう店、行く気がしません。選択肢に入りません。
「ランチタイムは使えない」とか言われたら、再訪はありません。
今の時代に電子決済を拒否するなんて、飲みの誘い程度のメッセージをLINEではなくハガキで送るようなものです。箱崎や三宅坂JCTの渋滞にマニュアルミッションのクルマでハマっていくようなものです。
つまり、「アンタは時代に置いていかれた老人だ」ということです。
なぜ電子決済が必要なのか?
使う側(お客さん)にとっての利便性を高める気はない?
まず、小銭。邪魔だとは思いませんか。いや、お金様に対して邪魔と言う言葉は適していませんね。
扱いにくいとは思いませんか。
重いし、後ろに行列ができるし、脳内に算数を強いられる。
また利用ポイントが付くのが好きという人もいて、「現金で支払う理由がないならどんなに少額でもカードで支払ったほうが得だ、だから現金を持ち歩かない」なんて人も増えてるってわけです。
自分がお客の立場だった時、クレジットカードや電子マネーが使えて、その便利さに微笑んだことがあるのなら、自分の店でもサービスでも利用できるようにするのは当然のことじゃないでしょうか。
なんで電子決済を導入しないのか。
大抵の場合、めんどくさがって算数をしないのが原因かと。
つまり
- 手数料を取られる
- 入金が遅い
という、デメリットのイメージと
- 見込み潜在需要の増加
- 経理作業の簡素化
と言うメリットを比較し、それらを足したり引いたりして判断するという行為を放棄した結果じゃないでしょうか。
普段の生活でも、いませんか?
ネットショッピングにおける送料と、実際の買い物に出かける際にかかる時間と交通費を比べ、どちらが得かを判断しない人。
そんな難しい計算じゃなく、小学校レベルの算数で出せるはずなんですけど。
後はあれですかね。
消費と投資コストの区別がつけられていない場合。
新聞にチラシを折り込むのだって、クーポンサイトへの掲載だって、商売にはつきものの投資という費用。
経理作業の手間だって人件費がかかってる。
カード会社への手数料だけ損と考えるのは変ですよ。
「Suicaつかえます」とか「PayPal対応してます」という表記だって、言ってみれば集客用コピーだし、顧客へのオファーだ。
電子決済サービス一覧
スマートフォンやタブレットを使った決済端末
イヤフォンジャックという、通常はイヤフォンを入れると音楽が聴こえてくるところ。
そこにイヤフォンではなくIC カードリーダーを差します。
それだけで、スマートフォン、タブレットがカード決済のできる決済端末に返信するのです。
◎Square(スクエア)
もしかしたら1番有名ですかね。
Twitterを創業したジャック・ドーシーが、SquareのCEOです。
決済手数料は、JCBが3.95%、それ以外のカードなら3.25%。
入金は最短で翌日。
【決済手数料サポートキャンペーン中!】新規でSquareをご利用の方は今だけ決済手数料がお得に!
月額固定費なし、決済手数料3.25%のクレジットカード決済を。
◎Coiney(コイニー)
国産。
病院のほか、ぐるなびなどとも提携してるので飲食店にも便が良さそう。
手数料は3.24-3.74%。
◎Airペイ(エアペイ)
一瞬 Apple Pay(アッポーペイ)と見間違いがちですが、Airペイ(エアペイ)です。
クレジットカードと交通系の電⼦マネーが専用カードリーダー1台で決済できるのは、Airペイがモバイル決済業界で初。
手数料はコイニー 同様3.24-3.74%。
スマートフォンやタブレットを使ったPOSレジ
POSは、ご承知のとおり "Point Of Sales" の略。
簡単にいうと、販売情報を管理するシステムを搭載したレジです。
商品名と、売れた時間やら顧客情報などの情報を記録して分析し、経営戦術に活かしていくための、あれです。
◎Square Pos
上述の、Squareのポスレジ。無料です。
飲食店でも小売でも、モバイルPOSとカードリーダーがあれば、どこでもカード決済を受け付けられます。
無料なのは、「Square使って決済手数料だけはちょうだいね」ってことですね。
◎Airレジ
こちらも名前からお察しのとおり、Airペイ(エアペイ)と同じリクルートさんのサービス。
初期費用も月額費用も、さらには会計・売上分析なんかの機能も全て無料なんですって。
カードリーダーのレンタル代金が税込19,800円、最初にかかるだけで、あとは3.24〜3.74%の決済手数料のみ。
◎ユビレジ
月¥4,750〜の有料ですが、サポートが厚いっぽい。
メール電話チャットと使いやすい手段でOK。
まとめ
間口を広げる為にも、サービス/小売/飲食など業界を問わず、非現金払いへの対応をしてくださいませ。
現金以外の決済が普通に使えるってだけで店を選ぶ人間など、いくらでもいますから。
でも。たぶんこんな話、伝わるべき人には届かないんでしょうね。
ネットでこういった文を読む習慣もなさそうなので。
だから、電子決済に関して同様の意見を持っている方は、周囲のそうでない店主さんたちに対して、地道に口頭で伝えていっていただきたいと思う次第です。


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