名前、それは燃える生命。ひとつの地球にひとりずつひとつ。
(ビューティフル・ネーム/ゴダイゴ)
なんというか、名前それ自体は『その存在を認識し他と区別する』という役割があるのだが、言ってしまえばそれ以外の意味はない。
ただしそこにひとつ付加価値を名前の形でつけることによって、威厳がレベルが位がアップするし商品値段の設定もあげやすくなるのですよ。
どういうことか聞きたいですかそうですか。
一般名詞の上にひとつ価値を載せろ
例えばレアチーズケーキというケーキがあります。
ケーキといえばモンブランが有名ですけど、私は栗の入ったお菓子が苦手なんです。
一応食べられないことはないし、栗そのものは殻をむく手間を除けば大丈夫なんですけど。
ついでにいうと、抹茶味のお菓子も苦手なんです。私見ですけど苦味と甘味は仲が悪いと思います。
で、レアチーズケーキというケーキがあります。
数多のケーキのなかで、「チーズを使ってレアで仕上げたケーキ」ということで、ガトーショコラやバナナケーキと違うということを示すために『名前』が付いています。
レアとは生(なま)の意味です。「焼き方どうしますか?」のレアミディアムウェルダンのレアです。
上記のとおり、レアチーズケーキというだけなら単なる名前ですが、これを ─。
『簡単レアチーズケーキ』とすると、“簡単に作れる”という価値がつきます。
また『千本松牧場レアチーズケーキ』とすると“なんか牧場の新鮮な素材使ってるぽい”という価値がつきます。
はたまた『ともぞうおじさんのレアチーズケーキ』ならば“誰か知らないけど工場でない手作りな感覚”という価値がつきます。
単なる名前にひとつ価値を載せることにより、『レアチーズケーキ』という横並びの名前が付けられた状態から一歩先に出ることができ、他と違う感を打ち出せると値段だってお高めにできるわけです。
名付けは、自分の位置を相対的に確認しろ
ちょいちょい例に出して申し訳ないんですけど、謝って済む話ではないということは重々承知なんですけど、仮に大人数のアイドルグループがいたとします。
まだ何者でもない若い女の子なんて横一列に並べればみんな同じに見えるのは、これは嘘ですが科学的に証明されています。
そこに『ポンコツ』とか『釣り師』とか『パン』とか『聖母』などの冠を付けることにより差別化ができ価値がうまれるわけです。
ましてや今のこの世代の子たちはなんだか、やたら名前が被るのです。
りな、はるか、まい、なんて何人いるかわかりません。数えてないから。
同じような名前を付けた親世代の代表として、重ねてお詫び申し上げます。
あと、これもたびたび例に出して恐縮なんですが、コーチっす。コーチのことっす。
- 『恋愛コーチング』
- 『やりたい事がみつかるコーチング』
- 『子育てコーチング』
これらももう、今となっては横一列ですよね。
もうひとつ冠が欲しいところです。
なので、名前を付けるときには周囲を意識し、相対的に自分の位置を確認しましょう。
自分のリアルな周りだけじゃなくてネットでの検索も必須でな。


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