その昔、表参道にメガストアを出していたベネトン〈UNITED COLORS OF BENETTON〉がこの国に栄えていたのは、勝手な印象ですが'80-'90年代頃でしょうか。
イタリア生まれの写真家、オリビエーロ・トスカーニが担当していた、商品じゃなく人権問題を打ち出した広告写真の一連のシリーズを、よく雑誌なんかで見かけました。
その広告写真のインパクトは、ブランドを想起させるには強烈な引き金だったのでした。
いやもちろん、ブログひと記事のアイキャッチ画像など、ベネトンほど大それたもんではございません。
でも一枚の画は、それだけ人の目を引きつける力があるんですね。特に各SNSの投稿画面などでは、アイキャッチ画像も一緒に表示できるわけで。
なおアイキャッチ画像とは、アルファベットで並べ替えるとeye-catch-gazoとなり、日本語にすると「目─捕らえる」となります。
そもそもアイキャッチは和製英語だけど。
で、そのブログ記事のアイキャッチ画像に文字を載せる人は1人や2人じゃきかないと思うのですが、みんな画像選びにばかり夢中になって、文字入れの頃には疲れきってるのか、そこにあまり気を使わない人が多いですよね。
たぶん作り手にとっては記事の内容が命であり、アイキャッチ画像が顔であり、画像に載せる文字なんてものは瑣末なことだ。
みんな、そんな認識でいるのかもしれません。
しかし、その小さなデザインへのこだわりのなさが、感覚的な読みにくさを生み、訪問者のストレスへ誘っているのだとしたら。
そんなんで相手のことを思いやってると言えますか?相手のことなんかどうでもいいんですか?自分さえよければいいんですか?
やりませんか、一緒に。
文字もちょっと工夫するだけで読みやすく伝わりやすくオシャレになるんですから。
なお、このやり方はMac付属のキーノートというソフトウェアを使います。
キーノートとは、位置付けとしてはマイクロソフトでいうところのパワーポイントのようなそれです。
Photoshopは使いません、ご安心ください。
この記事の目次 - Contents -
死闘編〈2つの準備〉
まずアイキャッチ画像を準備する
一番のオススメは、自分で撮った画像。
今の携帯電話には大抵カメラ機能が付いており、フィルムも現像も必要なしで、電話をかけるよりも手軽に撮影ができます。
他人が撮ったものは、権利とかなんとかが難しいですからね。
もちろんフリー画像も便利でいいんですけど、実際には適当な画像を探す手間が、割と面倒だったりしません?
なので、できるだけ自身で『ブログ映え』する画像を撮っちゃうのはどうでしょうか?
キーノートに貼り付ける
Macに入ってるプレゼン資料作成ソフト、キーノートで画像に文字を載せます。
なぜキーノートを使うのか?というと、以下の決戦編にあるような、文字組み調整が可能だからです。
今までよくわからないと敬遠していた方も、この機会にぜひ使いこなしてみませんか。
実際、パワーポイントよりもずっと使いやすくて仕上がりが美しいです。※個人の感想です
これがキーノート
決戦編〈3つのポインツ〉
かなとカナと句読点は基本的に詰めろ
漢字ではない文字の間は詰める(狭くする)
お分かりだろうか。かな/カナ文字って、そのままだとすいて見えるのである。見えますよね。
なので、文字間を詰めることで漢字とのコントラストがうまれ、目に優しく(つまり読みやすく)なるのです。
単位の文字サイズは小さくしろ
スーパーのPOPとかは、みんなやってる
これも、そのまま打つと「円」がデカく見えます。
しかし、この国で買物する以上、通貨単位は円なのはわかりきってる。
わかりきってるので見る人の意識はそこにいかない。
よって大きく主張すべきは数字の方である。
明治大正の手書き時代から続く、デザイン手法のひとつです。
助詞の文字サイズも小さくしろ
「の」とか「が」とか「と」とか
昔の言い方でいうところの「てにをは」。
これも、文字の大小でコントラストを作って、読みやすくさせる策であります。
以上。
もちろん、タイポグラフィなんてものは10年修行してやっとその入り口が見えるようになるほど奥深いものではありますが、とりあえずは101としてこれくらい意識しておけば、と。
参考資料として新聞のチラシなんか見てみれば、これらの技術が多く使われてることに気付くかと思います。
がしかし、今どきの普通の人は新聞なんてとってないですよね。
なので、オススメはLP(ランディングページ)界。
文字組みにこだわるべき理由は、サイト訪問者の読みやすさへの気遣いのため
私がDTP(デスクトップパブリッシング、印刷のアレです)業界にいた頃、周囲の大人たちの中には写植経験者がまだまだ多数いました。
写植ってのは、パソコン導入以前の「写真植字機で印刷原稿の版下を作る」という、今となっては昔の技術です。
彼らから教わったのは、文字組みへのこだわりがプロとアマとの大きな違いだということです。
自分のために趣味でモノを作るのがアマチュア、相手のために作るのがプロだとしたら、あなたはどっち?
結論
デザインを自己満足ととらえているような人にとっては、「文字組みなんて、もしかしたらどうでもいいこと。そんな暇あるならもっと記事書け。」って思うかもしれない。
でも、その小さなこだわりのなさが、もしかしたら訪問者のストレスを生んでるかもしれません。
小さなストレスは大きな拒絶へ成長する可能性を秘めていますよ。
実は私も時間を略すためにそのままベタ打ちしてたことが非常に多いので、これを機会に「お前もちゃんとやれ」とあらためて思いました。


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